15面 社会1    2001/03/29   [back] [全文を見るなら]

  • 「無罪」にどよめく傍聴席
    =「薬害は消えない」と唇かむ遺族=
     「ええっ!」「うそだ!」。

  • 無罪判決に、深々と礼−安部被告
    =失望感広がる傍聴席=
     「被告人は無罪」。裁判長が主文を言い渡すと、元帝京大副学長安部英被告は、深々と頭を下げた。東京地裁一○四号法廷の傍聴席で、かたずをのんで見守っていた被害者や遺族からは「ええっ!」と、どよめきの声がわき起こり、表情には失望感が広がった。

  • 説得力ある判決に敬意−安部被告弁護団
     安部英被告弁護団の話 無罪判決を被告人、弁護人としては当然の妥当な結論と考えている。医療行為における医師の刑事責任の有無という困難な問題について、本件当時の知見、医療水準に従って判断するという、医療の問題を論ずるのに必要な基本的視点を見失わず、すべての論点について説得力のある判決を下した裁判所に対し、深く敬意を表す。

  • 控訴の方向で協議−東京地検
     上田広一東京地検次席検事の話 検察官は十分な主張、立証を尽くして有罪を確信していたので、予想外の判決で驚いている。判決理由を検討した上で、控訴の方向で上級庁と協議する。

  • 安全確保に万全期す−厚生労働省
     宮島彰厚生労働省医薬局長の話 現段階では判決の詳細について把握していないが、厚生労働省としては、血液製剤によるHIV感染の問題を踏まえ、医薬品の安全確保のための取り組みに全力を尽くしてきたところであり、今後とも万全を期したい。

  • 事件構造練り直し迫られる検察側
    =予想外の「無罪」に衝撃=
     「検察側の証拠は看過しがたい矛盾がある」−。薬害エイズ事件で、元帝京大副学長安部英被告(84)に無罪判決を言い渡した二十八日の東京地裁判決は検察側の主張をことごとく退けた。検察側は控訴する方針だが、「有罪判決」に自信を持って臨んだ判決だけに大きな衝撃とともに、事件構造そのものの練り直しも迫られることになりそうだ。

  • 進まない血液事業の法整備−厚生労働省
    =薬害エイズ事件後も審議会まとまらず=
     薬害エイズ事件を受け、旧厚生省は一九九八年三月から、薬害エイズ被害者の患者代表も委員に含めた旧厚相の諮問機関、中央薬事審議会の特別部会(部会長・内山充日本薬剤師研修センター理事長)で法整備に向けた検討を始めた。

  • 「治療続けたい」と安部被告
    =被害者側は「患者の視点欠く判決」=
     東京地裁で無罪判決を受けた元帝京大副学長安部英被告(84)の弁護団が二十八日、東京・霞が関の司法記者クラブで会見し、安部被告が判決後「今後、医師として血友病の治療や研究に努力したい」と話していたことを明らかにした。

  • 「受け入れがたい」と被害者ら
    =無罪判決を口々に批判=
     「本当に受け入れがたい」「被害者の思いを踏みにじった」−。安部英被告に対する無罪判決言い渡しを受け、薬害エイズ事件の被害者、弁護団が二十八日午前十一時半すぎから東京・霞が関の司法記者クラブで会見、口々に判決を批判した。

  • 「影響? 分からない」
    =言葉少なく−厚生労働省=
     薬害エイズ事件などの民事訴訟を担当する厚生労働省医薬品副作用被害対策室の依田晶男室長は二十八日午前、元帝京大副学長安部英被告が無罪判決を受けたことについて、「刑事裁判の当事者ではないので、判決の内容は詳しく分からない。どんな判決であろうと事件の再発防止の取り組みに全力を尽くすのがわれわれの思いだ」と早口で語った。

  • 長官銃撃の銃、ネット公開へ
    =38口径回転式、銃身20センチ=
    −海外情報に期待・警視庁−
     一九九五年、国松孝次元警察庁長官(現スイス大使)が東京都荒川区の自宅マンション前で銃撃され、重傷を負った殺人未遂事件で、南千住署捜査本部は二十八日までに、凶器の短銃について、銃身八インチ(約二十センチ)、38口径の回転式と断定し、警視庁のインターネットホームページ(HP)で写真を公開、情報提供を求めることを決めた。

  • 宿泊数回復、厳しい道外客来訪
    =「春からが勝負」−洞爺湖温泉街=
     有珠山噴火で観光客の激減に泣いた北海道胆振管内虻田町の洞爺湖温泉街に、この冬は例年並みの宿泊客が戻った。とはいえ道外客はまだ少なく、今後の見通しはなお厳しい。観光関係者らは「春から秋にかけてが勝負」と、料金値下げや、パック旅行を主催する旅行会社への営業活動を展開。「噴火口を新しい名物に」と集客に知恵を絞っている。

  • 戦史研究家の児島襄氏死去
    =膨大な資料集め、近現代史描く=
     戦史研究家で作家の児島襄(こじま・のぼる)氏が、二十七日午前十一時四十一分、脳こうそくのため東京都世田谷区の病院で死去した。七十四歳。東京都出身。自宅は世田谷区成城一の二九の一○。葬儀は四月三日午前十一時から目黒区下目黒三の一九の一の羅漢会館で。喪主は妻比呂子(ひろこ)さん。

  • 運動選手とパン屋さんがトップ
    =新入学児童の「夢」を調査−クラレ=
     クラレは、新入学児童と保護者を対象に、将来どんな職業に就きたいかを尋ねたアンケート結果を発表した。それによると、男子は「スポーツ選手」、女子は「パン屋・お菓子屋さん」が三年連続トップを占めた。

  • 徳永忠臣氏死去
     徳永 汢臣氏(とくなが・ただおみ=新光キャピタル社長、元新日本証券〈現新光証券〉専務)25日午前1時3分、脳内出血のため横浜市内の病院で死去、61歳。東京都出身。自宅は横浜市旭区中沢3の50の5。新光証券などとの合同葬を4月6日午後2時から東京都千代田区飯田橋1の1の1のホテルグランドパレスで行う。喪主は妻淑子(としこ)さん。

  • 藤原正雄氏死去
     藤原 正雄氏(ふじわら・まさお=元田辺製薬監査役)27日午後5時9分、心不全のため大阪市の病院で死去、91歳。大阪市出身。自宅は同市住吉区万代4の4の22。告別式は29日午前11時から同区万代東4の1の27の万領会館で。喪主は長男衛(まもる)氏。

  • 概況
     29日は、低気圧が東日本の太平洋側を東進し、東シナ海からは高気圧が張り出してくる見込み。北海道は晴れるが、全国的に雲の多い天気。東海から西の太平洋側は午前中、関東は昼すぎまで雨が降りやすい。東北南部は午後は雨、北陸から山陰にかけての日本海側は日中いっぱい雨で、雷を伴う所がある。東海から四国・九州南部にかけては、午後は晴れてくる。沖縄は曇りや雨のぐずついた天気。

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