厚生省、非加熱製剤回収時期の日付を改ざん
薬害エイズ事件で、業務上過失致死罪に問われた元厚生省生物製剤課長松村明仁被告(57)の公判が東京地裁(永井敏雄裁判長)で開かれた。検察側は、厚生省から押収した「薬務局ファイル」の中にあった資料として、87年3月に日本血液製剤協会を通じて製薬会社による非加熱製剤の回収時期を調べた結果を明らかにした。非加熱製剤の回収が終わった時期は、カッター(現バイエル)が86年5月、化血研が86年3月、トラベノール(現バクスター)が86年2月などとされていたが、厚生省が国会やマスコミに発表した資料では、カッターと化血研がそれぞれ85年10月、トラベノールが85年11月などと、内部資料よりも半年ほど早めた日付に改ざんし資料を作成したと指摘した。当時、エイズ対策として非加熱製剤に代わるより安全な製剤として、85年7月に加熱製剤が各社同時に製造承認されている。
11/12/98, 日経、朝日、読売、毎日、産経、東京新聞
(久保純子)