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1999年3月19日 エイズ公判: 安部英被告が2年ぶりに意見陳述 薬害エイズ事件で業務上過失致死罪に問われた前帝京大副学長、安部英被告(82)の第31回公判が19日、東京地裁(永井敏雄裁判長)で開かれた。1997年3月の初公判以来2年ぶりに意見陳述を行った安部前副学長は「84年11月から85年1月の段階でもエイズの発症率はきわめて低い、というのが一般的な認識だった。危険な非加熱製剤を中止して、安全なクリオ製剤に替えることは、血友病専門医にとってはおよそ現実味のないことで考えたこともなかった」などと訴えた。 裁判は検察側の立証が終わり、弁護側の反証段階に入っており、意見陳述は安部前副学長の希望で初公判時の意見陳述を補足するために行われた。 陳述でまず安部前副学長は「検察官は取り調べで、84年後半以降の外国文献などでの海外の学者の発言について、私が不勉強だと批判した。しかし、私のような臨床医には臨床に関する文献を読むだけでも精いっぱいだ」と反論した。 そのうえで「安全な加熱製剤の実現は私の目標。あたかも私がこれに反対して実地臨床に用いることを遅らせたかのように言われているが、そうした事実はない」と主張した。安全なクリオ製剤への転換も「83〜85年当時、転換を主張した医師はいなかった。(部下の)木下忠俊医師(帝京大助教授)や松田重三医師(同)からも進言はなかった」と検察側の主張を真っ向から否定した。 検察側の冒頭陳述などによると、83年10月に都内のホテルで開かれた血友病専門医の集まりで、安部前副学長は「クリオでは(注射管が)詰まる。学問的良心からすれば、うそをついていることになるのかもしれないが、一回でも詰まれば詰まるんだ」と非加熱製剤の使用継続を強調した。 さらに帝京大病院の血友病患者48人中23人がHIV(エイズウイルス)感染している事実が判明した84年9月、松田助教授が非加熱製剤の投与中止とクリオへの転換を進言したが、安部前副学長は「血友病の治療も分からない人間が何を言うんだ」と拒否した。木下助教授の進言も同年11月ごろ「クリオは使いにくいので駄目だ」とはねつけた。 また、冒頭陳述は安部前副学長は当時、「ミドリ十字」(当時)など製薬会社からシンポジウムの運営資金などとして1億円近くの寄付や金銭受領を受けており、その結果、非加熱製剤が大量在庫となって、メーカーが損をしないよう加熱製剤の承認時期を調整した、とも指摘した。
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