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「無罪」に怒りたたきつけ 「体の震え止まらない」
二十八日午前十時すぎから東京地裁一○四号法廷で始まった安部被告の判決公判で、永井敏雄裁判長が無罪を告げると、傍聴席からは「えっ」という短い叫び声が起き、どよめきが広がった。 閉廷後、川田悦子さんは「頭が真っ白になってメモを取れなかった。無罪が信じられなくて言葉が頭に入らなかった。怒りで体が震えている」と話した。 この日、紺のスーツ姿の安部被告はゆっくりとした足取りで入廷。裁判長にうながされて法廷中央の証言台の前に移ると、指先をまっすぐ伸ばして両足のわきに付け、直立不動の姿勢で判決を待った。無罪を言い渡されると深々と裁判長に頭を下げた。 判決理由の読み上げを聞く安部被告は終始落ち着いた様子。持参した資料に目を落とし、何度もうなずきながら時折メモを取った。傍聴席の被害者らは対照的に身を乗り出したり、腕組みをしたりして、悔しそうな表情を浮かべた。 判決後、記者会見した大阪HIV訴訟原告団の花井十伍代表は「とても残念。当時われわれの仲間は命を守ってもらうため、医者にすがるしかなかった。その医者に対してあまりにも甘い」と不満をぶつけた。 薬害エイズ被害者の大平勝美さん(52)も「いったい何人の患者が死ねば安全な製剤が供給されるのか。一番の窓口だった重鎮の安部被告が注意を怠っていたから多くの血友病患者が亡くなった」と唇をかんだ。 またHIV訴訟弁護団は判決を「高度の注意義務が必要なことは水俣病訴訟などで証明されているのに、赤信号を皆で渡れば怖くない、との論理で、医者の怠慢を免責している」と厳しく非難した。 |
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