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2000年7月26日

薬害エイズ:
安部英被告に禁固3年を求刑 検察側


 HIV(エイズウイルス)に汚染された非加熱製剤を投与して血友病患者を死亡させたとして、業務上過失致死罪に問われた元帝京大副学長、安部英(たけし)被告(84)の論告求刑公判が26日、東京地裁(永井敏雄裁判長)で開かれた。検察側は「感染の危険性を十分に認識していたのに、非加熱製剤投与を続けた」と述べ、血友病治療の権威だった安部元副学長の過失を厳しく指摘、禁固3年を求刑した。 

 安部元副学長側は無罪を主張し、(1)非加熱製剤の投与は当時の医療水準に従ったもので、患者の死亡は予見できなかった(2)非加熱製剤を使う以外に適切な治療法はなかった(3)大学病院の治療のすべてを指示する立場にはなかった――などと反論してきた。

 これに対し検察側は、安部元副学長はHIV抗体検査で同大の血友病患者の約半数がエイズウイルスに感染していることを知り、感染の危険やエイズ死亡率の高さも認識していたと指摘した。そのうえで、遅くとも1984年11月の時点では、血友病患者に非加熱製剤を投与すると、高い確率でHIVに感染させ、多くが死亡することを十分に予見できた、と主張した。

 3ルートに分かれた薬害エイズ事件では、松村明仁元厚生省生物製剤課長(59)の審理が東京地裁で続き、製薬会社「ミドリ十字(現ウェルファイド社)」の歴代3社長には今年2月、大阪地裁で禁固2年〜1年4月の判決が言い渡されている(3被告ともに控訴)。

 安部元副学長は午前10時、東京地裁104号にゆっくりとした足取りで入廷し、3人の裁判官1人ずつに深々と頭を下げた。初めは青ざめた表情で論告を読む検察官を見詰めていた。しかし、論告要旨を弁護人から受け取り、読み進むうちに研究者の厳しい表情に変わっていった。

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