ミドリ十字歴代3社長の公判結審、来年2月に判決
薬害エイズ事件でエイズウイルス(HIV)に汚染された非加熱血液製剤の販売中止、回収の義務を怠り、大阪府の男性を感染、死亡させたとして、業務上過失致死罪に問われている製薬会社旧ミドリ十字(大阪市、合併して現在は吉富製薬)の歴代3社長、松下廉蔵被告(78)、須山忠和被告(71)、川野武彦被告(69)の公判が11日、大阪地裁(三好幹夫裁判長)で開かれ、初公判以来2年8か月ぶりに結審した。
弁護側は最終弁論で、厚生省やウイルス学者、病院にも3社長と同程度の責任がある。3社長は起訴事実を認め、同様の事故が起こらないよう反省もしているとして執行猶予のついた判決を求めた。
検察側は松下元杜長に禁固3年、須山元社長と川野元社長に禁固2年6月をそれぞれ求刑しており、判決は来年2月24日の予定で、官、業、医、それぞれの責任が追及されている薬害エイズ裁判では、東京地裁で審理が続く厚生省ルート、帝京大ルートに先駆けて、最初の司法判断となる。
11/12/99, 朝日、日経、読売新聞
(鴨 愼一)