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BPRO Today's News 国内編
Last Updated: 10/4/99


旧ミドリ十字歴代3社長に薬害エイズ事件で禁固を求刑

 薬害エイズ事件で業務上過失致死罪に問われた製薬会社旧ミドリ十字(本社・大阪市、合併し現在は吉富製薬)の歴代3社長、松下廉蔵被告(78)、須山忠和被告(71)、川野武彦被告(69)に対する論告求刑公判が30日午前、大阪地裁(三好幹夫裁判長)で開かれ、検察側は松下元社長に禁固3年、須山元社長と川野元社長に禁固2年6月をそれぞれ求刑した。

 論告は、エイズウイルス(HIV)感染の危険性を隠して非加熱製剤の販売を続けるなど、製薬会社に課せられた医薬品の安全確認業務にはなはだしく背いた悪質な犯行で、社会的影響も大きいと指摘した。厚生省の責任にも言及したが、それによって被告の過失責任は減免されないとした。

 製薬会社が薬害の刑事責任を問われた初のケースで、検察側は、過去の薬害の反省を忘れ、患者の生命、健康を無視し、自社の営業利益のみを追求した許すまじき悪行と厳しく批判した。弁護側の最終弁論を経て来春にも判決が言い渡される見通し。

 薬害エイズ事件では、ほかに元厚生省生物製剤課長・松村明仁被告(58)、前帝京大学副学長の安部英被告(83)に対する審理が東京地裁で統いているが、被告側が起訴事実を否認しており、罪状を認めた「ミドリ十字ルート」が3事件の中で最も早く論告に至った。

9/30/99, 朝日、東京、日経、読売、毎日、産経新聞

(鴨 愼一)


 
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