


厚生省幹部「厳しい」 速報に衝撃



製薬企業の監督官庁として薬害エイズ事件の責任を問われている厚生省では、午前十時過ぎに三被告の判決内容を伝えるテレビの速報を職員らが真剣な表情で見入った。
幹部の一人は、「実刑か猶予刑かぎりぎりの線だと思っていたが、やはり実刑ですか」と険しい表情で一言。「結果が重いから。そういうことなんでしょう」
エイズ行政に携わったことがある幹部は「執行猶予がつかないのか」と驚いた様子。「厚生省ルートの裁判がどうなるかわからないが、組織の中で決定したことで個人の刑事責任が問われるのはやはり厳しい。被告人からすればそういう思いがあるのではないか」と話し、「実刑は厳しいなあ」と繰り返した。
別の幹部は、「法律上の責任とは別に、国民の命を預かる厚生省には『結果責任』がある。どんなに一生懸命やったと言ってみても、命が失われれば、それは責任がないとは言えないのが我々の仕事だから」と自らを戒めるように語った。
さらに、「薬害エイズ事件の教訓は今も厚生省に重くのしかかっている。日々の政策決定をする際にも、『薬害エイズの時はこうだった』というようなことが常に議論になる」と話していた。
(2月24日)

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