薬害エイズ事件で業務上過失致死罪に問われ、大阪地裁で二十四日、禁固二年〜一年四月の実刑判決を受けた製薬会社・旧ミドリ十字(大阪市、吉富製薬と合併)の歴代社長三人は、一時大阪拘置所に収監されたが、同日夕、保釈された。
同地裁の保釈決定によると、保釈保証金は事件当時の社長・松下廉蔵被告(79)が三千万円、副社長兼研究本部長・須山忠和被告(72)は二千八百万円、専務兼製造本部長・川野武彦被告(69)が二千六百万円。三人は逮捕、起訴され拘置中の一九九六年十月、保釈保証金二千五百万円をそれぞれ納付して保釈されており、この日、差額分を追納した。
一方、判決後に記者会見した東京HIV訴訟原告の川田龍平さんは「求刑そのものが軽かったが、判決はさらに軽く、憤りを感じる」と語った。