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2000.7.26(水) 更新 インパク アメリカ横断ウオーク

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薬害エイズ事件
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薬害エイズ裁判、安部被告に求刑へ



 薬害エイズ事件で、エイズウイルス(HIV)に汚染された非加熱製剤を血友病の男性患者に投与し、死亡させたとして、業務上過失致死罪に問われた元帝京大副学長・安部英(たけし)被告(84)の論告求刑公判が二十六日午前、東京地裁(永井敏雄裁判長)で始まった。薬害史上、医師として初めて刑事責任を問われた安部被告に対し、検察側は論告で「遅くとも一九八四年十一月の時点で血友病患者に非加熱製剤の投与を継続した場合、高い確率でHIVに感染させ、死に至らしめることを予見する十分な事実を認識していた」などと指摘した。論告は午後も続けられ、求刑は午後四時ごろになる見通し。

 安部被告は、医師らを指導監督する立場にあったが、非加熱製剤を投与し続ければ患者がHIVに感染することが予見できたのに投与を続け、八五年五月から六月までの間に男性患者をHIVに感染させ、九一年末に死亡させたとして起訴された。

 検察側は論告で、安部被告が八三年から八四年にかけ、厚生省のエイズ研究班長を務めたり、国際的なシンポジウムに参加したりしていたことなどから、「最新の知見を得ていた」と指摘。さらに自著で、非加熱製剤の原料の血しょうを輸入している米国のエイズの実態について、「極めて加速的に増加しつつある」と書いていることを挙げ、非加熱製剤を使用し続ければ、血友病患者にエイズ発症者が発生する危険性を認識していたと結論付けた。

 公判では、安部被告が非加熱製剤の危険性をいつ認識したかが最大の争点となった。検察側は、帝京大病院でHIV感染による二人目の死者が出た八四年十一月と主張。被告側は、八五年六月の時点でも、当時の医療水準からすれば危険性を認識するのは困難だったと無罪を主張している。

 業務上過失致死罪は、五年以下の懲役もしくは禁固、または五十万円以下の罰金となっている。

 ◆「最高刑求刑を」…被害者の川田龍平さん◆

 安部被告は紺色のスーツ姿でゆっくりとした足取りで入廷。まず傍聴席に一回、被告人席に座る前には三人の裁判官一人ひとりに、深々と頭を下げた。

 「検察官から論告をうかがうことにします」。永井裁判長が開廷を告げ、弁護人から論告を渡された安部被告は、文字を追った。

 傍聴席には、薬害エイズの被害者の川田龍平さん(24)らも姿を見せ、厳しい表情で安部被告を見つめた。開廷前、川田さんは「安部被告には罪を認めて本当のことを話してほしかった。業務上過失致死罪は甘いので、最高刑の五年を求刑してほしい」と話した。

(7月26日)






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