人の血液を原料にして作る製剤。この中で、血を固める役割をする凝固因子を抽出した濃縮凝固因子製剤は七〇年代に登場し、血友病患者の早期止血や出血予防を可能にした。
だが当初は加熱処理されておらず、エイズウイルスが混入した輸入製剤が次々と投与された。このため国内の血友病患者の四割が感染した。しかし血友病以外の治療に投与されたケースは「一時的な投与で感染の危険性も少ない」と考えられ、これまで追跡調査が行われていなかった。
しかし昨年夏から今春にかけて新生児出血症などの治療で三人の子供の感染が確認され、厚生省エイズ研究班では非血友病患者の調査に乗り出していた。八五年からは加熱した安全な製剤に切り替わっている。(伸)
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